houchiblog

脈絡ないブログ

いくつもの山を越えて

 

この間

帰宅後のカフェタイムが確定していたので

コーヒーと合うチョコ系の菓子パンを買おうと、

お店に立ち寄った。

 

希望を叶える品物は可愛らしく待っていた。

贅沢にも2種類かごに入れた私は

この後のゆったりとしたひとときを思い

気分は高揚し、ご機嫌であった。

 

ふと目に入ったのはチューハイであった。

通路側に並べられた様々な缶チューハイ

色とりどり、きらびやかなワンコーナー。

 

限定ものは購買意欲をそそる。

買おうかなあ。

 

様々なフルーツのパッケージが

それぞれの自信を前面に押し出し

それでいて

プロデューサープレゼンツによる

見せかけの気品を身に纏わせ

おしくらまんじゅう暮らしをしていた。

 

「ワタシ イチバン オイシイヨ!」

「ワタシノ ホウガ オイシイヨ!」

「イッカイ カッテミテ!

 ゼッタイ コウカイシナイカラ!」

「ワタシダヨ!ワタシダヨ!ココダヨ!」

 

そんな中、誰かがこう言った。

「イッコジャナクテイイヨ、

 ロッコカッタラ バッグ アゲル!」

 

それは知ってる。こないだ見た。

6缶でほろよいデザインのペラペラバッグ。

サントリーチューハイ6缶でプレゼント、とある。

心なしか、こないだ見たときより減ってる。

まあ、貰えるもんなら貰うよなあ。

 

そしてまた誰かがこう言った。

ロッコ カッタラ センエン コエルヨ!」

 

おー確かに。

それはいいな。心置きなく商品券が使えるわけだ。

しかもガンボパーティーで慈善にもなるわけだ。

これは喜ぶぞ。

限定ものも多いし、6缶、いけるなあ。

 

買うことにした。

 

ラインナップの中から

パーセンテージの低いものに絞り

あとは珍しいもの、美味しそうなもの、

味のかぶりがないもので。

 

6種類、すぐに決まった。うふふ、やったぜ。

バッグはどれにしようかなあ。

1種類だが、生成り生地だから

繊維の黒いプツプツが

変に柄にかぶってないものにした。

2枚を見比べ適当に。

こんなバッグ、フリマで10円レベル、

貰えることは嬉しいがはっきり言って

使いみちはなさそう。

けど、貰えて嬉しい。へへへ

 

私はルンルン気分でレジへ。

するとレジのお姉さんは

バッグとチューハイを見て

「あの〜これほろよいを買って頂いた方に…」

えっ?この店員、貰える条件知らんのか。

まあ確かに

「ほろよいオリジナルトートバッグ」

って書いてるもんなあ。けどね〜違うんだな〜

サントリー6缶でって書いてましたけど」

「あっ!そうなんですね、すみません〜」

このお店って、レジの人はレジしかしないのかな?

けどそもそも販促品って都度変わるから、

完全把握も難しいわな。

 

その後「袋は分けますか?」と聞いてきて

(何と何を分けるつもりなのか知らないが)

お願いしますと言ったのに

分けてくれなかったのは別にいいとして、

帰宅後、驚かせようと冷蔵庫内の目線の高さに

チューハイを正面横一列に並べ終わったときに

私は目を疑った。

 

 

氷結 ふくしまポンチ…KIRIN

 

 

えっ?!?!

キリンが混じってる!!!!!

サントリーちゃうやんけ!!!!

 

んっ?!

冬の日本 あまおうチューハイ…Asahi

 

あ、あれ…

これはやばい…

インチキしてしもた…

 

直絞りは…直絞りは4缶あるから…

6缶中4缶……頼む…

メーカー名どこだ?どこに書いてある???

目が泳いで泳いで

 

直絞り…TaKaRa CAN CHU-HI

 

「タカラ、カン、チュー、ハイ

 って書くんや…

 チュー、ハイってそう書くんやあ〜

 正式かなあ…造語かなあ…

 カン、チュー、ハイも

 会社名に含まれるのかなあ

 そんなわけないかあ…」

 

しばらくそんなことを考えてから

バッグがうちにやって来るまでの

山の数を数えていた。

どうしようもこうしようもない。

これは今更どうにかしたってしょうがないのだ。

 

 

『大変だったなあお前、

どこから来た?いくつ山を越えてきた?

どの山が一番大変だった?

俺がここに来るまではなあ…』

 

 

今、家にあるたくさんの仲間たちが

温かくバッグを受け入れ始めている。